稲刈りどきのからだを養う秋野菜と山の幸―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年10月12日

聞き書 大分の食事 日田盆地の食より

晩飯―麦飯、いもとれんこんの煮しめ、けんちゃん汁、あゆのうるか
秋はさばに脂がのっておいしい。豆田の魚屋でときどき買い、煮つけにしたり、大根と一緒にぬたえをつくったりする。さばを煮たときは、その汁でいもやれんこんを煮る。
少し肌寒い夜は、けんちゃん汁をつくる。ごぼう、にんじん、れんこん、いも、揚げ豆腐(厚揚げ)などを菜種油で炒め、水を入れて煮こみ、醤油と塩で味をつける。
十二月ころまでは、大川ではまだあゆが釣れる。たくさん手に入ったときは、うるか(塩辛)をつくっておく。二〇日くらいでよくなれておいしくなる。稲刈りあとの晩酌のさかなにもってこいである。

写真:秋の晩飯
上:あゆのうるか、いもとれんこんの煮しめ/下:麦飯、けんちゃん汁

 

出典:波多野道義 他編. 日本の食生活全集 44巻『聞き書 大分の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.204-206

 

関連書籍詳細

日本の食生活全集44『聞き書 大分の食事』

波多野道義 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540920011
発行日:1992/6
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 384頁

豊後・大分は、その名のとおり「豊の国」。県内各地には名物料理が目白押し。大分市の「ほうちょう」、豊後水道沿岸の「さつま」「かまぼこ」、竹田の頭料理、臼杵の黄飯、きらすま飯、日田盆地のがめ煮……。
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