聞き書 愛媛の食事 燧灘沿岸と魚島の食より
さばは年中とれるが、秋さばは脂がのっておいしい。さばは、塩焼き、しめさばにして食べるが、独特のくさみがあるので、煮るときはしょうがを入れる。
秋口によくつくるのが、さばとなすの味噌煮である。さばは頭と腹わたをのけて、五人いれば五つに、七人なら七つに切る。なすは大きめに切って水につけ、あくを出しておく。なべにさばと、さばがつかるほどの水を入れ、味噌と少しの砂糖を入れてなすと一緒に煮る。
写真:さばとなすの味噌煮
脂ののった秋さばと、秋なすの組合わせは、とくにおいしい。
出典:森正史 他編. 日本の食生活全集 38巻『聞き書 愛媛の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.314-315