さばとなすの味噌煮

連載日本の食生活全集

2022年11月07日

聞き書 愛媛の食事 燧灘沿岸と魚島の食より


さばは年中とれるが、秋さばは脂がのっておいしい。さばは、塩焼き、しめさばにして食べるが、独特のくさみがあるので、煮るときはしょうがを入れる。
秋口によくつくるのが、さばとなすの味噌煮である。さばは頭と腹わたをのけて、五人いれば五つに、七人なら七つに切る。なすは大きめに切って水につけ、あくを出しておく。なべにさばと、さばがつかるほどの水を入れ、味噌と少しの砂糖を入れてなすと一緒に煮る。

写真:さばとなすの味噌煮
脂ののった秋さばと、秋なすの組合わせは、とくにおいしい。

 

出典:森正史 他編. 日本の食生活全集 38巻『聞き書 愛媛の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.314-315

関連書籍詳細

日本の食生活全集38『聞き書 愛媛の食事』

森正史 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540880452
発行日:1988/12
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5判上製 384頁

魚あふれる瀬戸内、宇和の海。春はいだが川面をさかだて夏はあゆが水底に踊る肱川。五穀ゆたかな山間の田畑。海、山、川、平野の四季の移ろいと暮らし、食をつぶさに描く。
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