聞き書 山形の食事 村山山間の食より
もいできたあけびの種をとり、軒下に干す。干しあけびは、保存食として蓄えておく。
干しあけびをもどすには、湯にしばらくつけておき、水煮して冷めるまで浸しておく。煮汁が冷めたらとり出してよく洗い、水気を切る。
中に詰める具は、にんじん、ごぼう、こんにゃく、つぶし豆、油揚げなどである。ごぼう、にんじんはあけびの長さに合わせて短冊切りにし、油揚げ、こんにゃくは細切りにする。これらとつぶし豆をあけびに詰め、かんぴょうで結ぶ。なべに入れ、たっぷりの水と醤油、砂糖を加え、汁がなくなるまで弱火で二時間ほど気長に煮る。
出典:木村正太郎 他編. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.92-92