聞き書 兵庫の食事 播磨山地の食より
冬のはじめのころ、新酒をしぼった酒粕が手に入ると塩鮭を漬ける。
塩鮭一、二ひきを一口大に切り、するめ五、六枚は干したままを細く裂く。いり干しでとっただし汁にとうがらしを入れて冷まし、その中に酒粕一貫を入れてやわらかくもどす。この中に鮭とするめを漬けこむ。いろどりに、金時にんじんを短冊切りにして入れる。かめに入れてできるだけ密封し、味噌蔵で保存する。
一か月半くらいたつと食べられる。
出典:和田邦平 他編. 日本の食生活全集 28巻『聞き書 兵庫の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.191-191