かぶかえ、がっくら漬、三平汁―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年12月19日

聞き書  青森の食事 南部〈八戸〉の食より

朝―ひえ飯、干し菜汁、焼き魚、漬物
炊きたてのひえ飯に、ふのりを入れた干し菜汁、それに焼き魚はいわしのことが多い。いわしは頭をとって、三斗樽に三本か四本は甘塩で漬けておくので、いつでも食べられる。いろりの火を手前にひき、四本足のついたあぶろご(焼き網)で焼きながら、口の中でじゅっとするほど熱いいわしを、ふうふう吹いて食べる。
漬物は、秋にひき続いてがっくら漬を食べるが、十二月に入ると、大根の水漬にかわる。みずみずしい大根を甘塩にして漬けた水漬は、おかずにもするが、お茶うけにしたり、「うまく漬かったな」と思うときには、寄合いなどにも持っていく。

写真:冬の朝食
上:いわしの塩焼き、大根のがっくら漬/下:ひえ飯、干し菜とふのりの味噌汁

 

出典:森山泰太郎 他編. 日本の食生活全集 2巻『聞き書 青森の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.258-260

関連書籍詳細

日本の食生活全集2『聞き書 青森の食事』

森山泰太郎 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540860324
発行日:1986/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

二つの藩の伝統を受けつぐ青森県は、二つの半島、三つの海、三つの山脈を頂く。特色ある六つの地域で海の幸・山の幸の四季おりおりのくらしと料理法をちみつに聞き書き。
田舎の本屋で購入

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