聞き書 宮城の食事 仙北・大崎耕土の食より
■夕―麦ごはん、たらのあら汁、もち漬の粕煮
塩引き(塩鮭)であれ、塩だら、なめた(なめたがれい)であれ、身を食べたあとの魚の頭などは、串ざしにしていろりで焼き、いろりの上のべんけいにさしていぶり干しにし、汁や煮もののだしに使う。まだらのあらは、冬囲いの大根、ごぼう、にんじん、二度いもと一緒に煮こみ、あら汁にする。おいしくてからだの芯から温まる。
どっさり漬けこまれた高菜漬も、残り少なくなるころは酸味も出てくるので、塩出しして塩引きの頭と一緒に粕煮にする。高菜に限らず、白菜などの菜っぱのもち漬(長期保存する漬物)でつくる粕煮は、冬の味である。
写真:冬の夕食
たくあん、もち漬の粕煮、麦ごはん、たらのあら汁
出典:竹内利美 他編. 日本の食生活全集 4巻『聞き書 宮城の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.17-18