ほかほかとからだが温まる、あら汁やもち漬の粕煮─日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年01月11日

聞き書  宮城の食事 仙北・大崎耕土の食より

夕―麦ごはん、たらのあら汁、もち漬の粕煮
塩引き(塩鮭)であれ、塩だら、なめた(なめたがれい)であれ、身を食べたあとの魚の頭などは、串ざしにしていろりで焼き、いろりの上のべんけいにさしていぶり干しにし、汁や煮もののだしに使う。まだらのあらは、冬囲いの大根、ごぼう、にんじん、二度いもと一緒に煮こみ、あら汁にする。おいしくてからだの芯から温まる。
どっさり漬けこまれた高菜漬も、残り少なくなるころは酸味も出てくるので、塩出しして塩引きの頭と一緒に粕煮にする。高菜に限らず、白菜などの菜っぱのもち漬(長期保存する漬物)でつくる粕煮は、冬の味である。

写真:冬の夕食
たくあん、もち漬の粕煮、麦ごはん、たらのあら汁

 

出典:竹内利美 他編. 日本の食生活全集 4巻『聞き書 宮城の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.17-18

関連書籍詳細

日本の食生活全集4『聞き書 宮城の食事』

竹内利美 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540890062
発行日:1990/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

米どころ宮城は旧伊達藩以来の米どころで、もちの多彩な食べ方を誇る。三陸海岸では四季いろいろな魚貝がとれ、浜の人たちだけでなく、内陸の人々の食膳もにぎわす。
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