畑の野菜や野山の青もんが食卓をにぎわす――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年04月21日

聞き書 兵庫の食事 播磨山地の食より

正午――ごはん、味噌汁、鮭の粕漬
冬、酒の粕と塩鮭を街で買ってきて、するめやにんじんも一緒に漬けておいた粕漬が食べごろになってきたので、出して食べる。家中の者が鮭やするめを先に抜き出して食べるので粕ばかり残るが、これもごはんに塗って食べる。
味噌汁がたくさんあるときは、そうめんと揚げ、とふを入れてにゅうめんにして食べる。ごはんがわりになるし、ぬくもるので、よくつくる。
おかずが何もないときは、おみそをつくる。おみそは、味噌の中にねぶかといり干し(かたくちいわしの煮干し)を入れて火にかけ、焦げないように混ぜながら火を通す。からいのでひとはしずつなめながらごはんを食べる。

写真:春の正午
鮭の粕漬、漬物、白米ごはん、とふや揚げの入った実だくさんの味噌汁

 

出典:和田邦平 他編. 日本の食生活全集 28巻『聞き書 兵庫の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.161-162

関連書籍詳細

日本の食生活全集28『聞き書 兵庫の食事』

和田邦平 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540910067
発行日:1992/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

摂津、丹波、但馬、播磨、……瀬戸内から日本海にまでいたる多彩な風土と独自の食文化、さらに国際都市神戸のハイカラ料理、淀川長治氏が語る神戸モダンボーイの食事も紹介。
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