聞き書 鳥取の食事 大山山麓の食より
日本海がないで、地引網でいわしが多くとれる時期になると、坊領の男たちは商いかごを天びん棒でかつぎ、御来屋の灘まで歩いていわしを買いに行く。片道一時間ほどかかる。
いわしは煮ても食べるが、わらで編み、ゆでて天日でからからに乾かしていり干しにし、だしとして使う。ときには、これに味噌をつけたり醤油をつけて、酒のさかなや菜にする。
■茶の子――米の飯、味噌汁、金山寺みそ
米の飯に金山寺みそ、里芋の種いもの残りとねぶか(ねぎ)の味噌汁である。
出典:福士俊一 他編. 日本の食生活全集 31巻『聞き書 鳥取の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.200-201