聞き書 山形の食事 庄内山間の食より
五月五日のしょうぶの節句には、しょうぶとよもぎを屋根や軒下にさし、鍬や農具にもつけて一日仕事を休む。この日は、なた巻き、きんちゃく巻きをつくる。三角巻きをつくる家もある。もち米を笹の葉で巻いて炭灰のあく汁で煮ると、黄色いこんにゃくのようなもちになる。三角巻きはあくまき、笹巻きともいう。
しょうぶの節句が終わると田植えである。田植えはじめには、のだての祭りをする。枡にほおの葉を敷いてきな粉飯を盛り、ほおの葉に包んだあられ、酒と一緒に大黒えびすさまに供える。
写真:のだての供えもの
ほおの葉で包んだあられ、きな粉飯、どぶろく
出典:木村正太郎 他編. 日本の食生活全集 6巻『聞き書 山形の食事』. 農山漁村文化協会, 1988, p.266-267