かや巻き

連載日本の食生活全集

2023年06月01日

聞き書 島根の食事 隠岐の島の食より


一か月遅れの六月五日の端午の節句に欠かせないのがまきである。ところによって巻く材料が違う。笹の葉、かやといろいろであるが、久見地区ではかやで巻くので、「かや巻き」という。
もち米をひいただんごの粉をこねて細長く丸め、一番中は笹の葉で包み、外のまわりをかやで包む。しゅろの葉を細くさいてしばる。一〇個一束にしてゆでる。きな粉や砂糖醤油をつけて食べる。固くなったら、食べるときにゆでなおすとよい。

写真:端午の節句のかたりまんじ(左)とかや巻き

 

出典:島田成矩 他編. 日本の食生活全集 32巻『聞き書 島根の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.291-292

関連書籍詳細

日本の食生活全集32『聞き書 島根の食事』

島田成矩 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540910029
発行日:1991/7
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

旧暦十月の神無月も出雲では「神有月」。全国から集まる神々をもてなす心が食生活の中にいまも息づく。汽水湖・宍道湖・中海の豊かな魚介、米どころ出雲平野、豪雪の山間、隠岐まで郷土の食を網羅。
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