暑いときには冷たい茶がゆが一番――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年07月07日

聞き書 奈良の食事 奥宇陀の食より

貧しくても豊かでも奥宇陀の一日は茶がゆではじまる。茶がゆは、前日の朝、麦をよましておいて、夕はん後に翌朝分のかゆを炊いておくが、それでも夏は朝の四時には、もう朝ごはんのしたくをしなければならない。飼っている牛のほうが人間よりもええなあと思う。洗濯は夕べのうちにすませておく。夏は必ずけんずいもいるので、朝は少しのひまになんば(とうもろこし)をゆでたり、かぼちゃや二度いもを塩炊きしておく。
朝ごはん――かぼちゃ入りの茶がゆ、なすのどぶ漬(ぬか漬)、川魚の焼いたん
夏の茶がゆの実には、毎日のようにかぼちゃが入る。子どもたちが川遊びでとってくるあめご(あまご)などの魚は、一度焼いてわらづとにさして乾燥させておく。食べるときにもう一度焼きなおしたり煮たりして食べる。

写真:夏の朝ごはん
あめごの焼いたん、茶がゆ、なすのどぶ漬

 

出典:藤本幸平 他. 日本の食生活全集 29巻『聞き書 奈良の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.180-182

関連書籍詳細

日本の食生活全集29『聞き書 奈良の食事』

藤本幸平 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540920035
発行日:1992/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 376頁

青丹よしといわれた奈良の都、法隆寺を仰ぐ斑鳩の里から山深い吉野・十津川郷まで、その歴史・民俗・食べ物を古老からの聞き書きと写真で記録。東大寺の結解(けっけ)料理など、各地の寺社料理も紹介。
田舎の本屋で購入

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