聞き書 宮崎の食事 宮崎平野の食より
■遠足
小学校も上学年になると、二里あまり離れた西都原古墳群の遺跡へ遠足に出かける。道々、氷砂糖やあめ玉をなめたり、歌を歌って目的地に向かう。竹の皮包みの弁当を開いて食べるお昼は楽しみの一つだ。
母親は孟宗竹の皮をとって保存しておき、にぎり飯、お煮しめ、かまぼこ、卵焼き、揚げいも、漬物を竹の皮で包みこみ、風呂敷に包んで子どもに持たせる。
食べたあとは竹の皮をくるくる巻いてすてるので、帰りはかさばらないで助かる。「のり巻きと高菜巻きのにぎり飯がうめかった」などと、帰宅した子どもは話す。
写真:遠足にうれしい竹の皮弁当
出典: 田中熊雄 他編. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.160-161