彼岸はだご、端午の節句にはかしわもち――晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2024年05月02日

聞き書 宮崎食事 宮崎平野の食より

遠足
小学校も上学年になると、二里あまり離れた西都原古墳群の遺跡へ遠足に出かける。道々、氷砂糖やあめ玉をなめたり、歌を歌って目的地に向かう。竹の皮包みの弁当を開いて食べるお昼は楽しみの一つだ。
母親は孟宗竹の皮をとって保存しておき、にぎり飯、お煮しめ、かまぼこ、卵焼き、揚げいも、漬物を竹の皮で包みこみ、風呂敷に包んで子どもに持たせる。
食べたあとは竹の皮をくるくる巻いてすてるので、帰りはかさばらないで助かる。「のり巻きと高菜巻きのにぎり飯がうめかった」などと、帰宅した子どもは話す。

写真:遠足にうれしい竹の皮弁当

 

出典: 田中熊雄 他編. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.160-161

関連書籍詳細

日本の食生活全集45『聞き書 宮崎の食事』

田中熊雄 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540901010
発行日: 1991/3
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

伝説に彩られた山深き里、古来「日向の国」と呼ばれた太陽の国・宮崎。焼き畑の村に、陽光そそぐ平野に、霧島のぞむシラスの台地に、黒磯洗う浜に、なつかしい食と暮らしをたずねた南国の食の記録。
田舎の本屋で購入

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