聞き書 香川の食事 小豆島の食より
■夕飯――そうめん、きゅうり、はも、わかめの酢のもの、はものつけ焼き、なんきんの酢味噌かけ
なんきんは蒸して酢味噌をかける。このころはあじ、ままかれ(ままかり=さっぱ)などがたくさんとれるので、焼いて三杯酢に漬けたり、生のまま酢に漬けて酢のものに使う。男衆が持って帰るたこのあがり(死んで売れないもの)をゆがいてしょうが醤油で食べたり、えびを塩ゆでして皮をむいて醤油をかけて食べたりで、豊富な魚で夕食はにぎやかである。
写真:夏の夕飯
上:〔左から〕なんきんの酢味噌かけ、きゅうりとたことわかめの酢味噌あえ、めばるのいりつけ/中:薬味のねぎ、ごま/下:つけだれ、そうめん
出典:井上タツ 他編. 日本の食生活全集 37巻『聞き書 香川の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.71-72