豊富な魚でにぎやかなおかず――日常の食生活

連載日本の食生活全集

2024年05月28日

聞き書 香川食事 小豆島の食より

夕飯――そうめん、きゅうり、はも、わかめの酢のもの、はものつけ焼き、なんきんの酢味噌かけ
なんきんは蒸して酢味噌をかける。このころはあじ、ままかれ(ままかり=さっぱ)などがたくさんとれるので、焼いて三杯酢に漬けたり、生のまま酢に漬けて酢のものに使う。男衆が持って帰るたこのあがり(死んで売れないもの)をゆがいてしょうが醤油で食べたり、えびを塩ゆでして皮をむいて醤油をかけて食べたりで、豊富な魚で夕食はにぎやかである。

写真:夏の夕飯
上:〔左から〕なんきんの酢味噌かけ、きゅうりとたことわかめの酢味噌あえ、めばるのいりつけ/中:薬味のねぎ、ごま/下:つけだれ、そうめん

 

出典:井上タツ 他編. 日本の食生活全集 37巻『聞き書 香川の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.71-72

関連書籍詳細

日本の食生活全集37『聞き書 香川の食事』

井上タツ 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN: 9784540900068
発行日: 1990/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

じゃこだしで食べるさぬきうどん、さわらでつくる魚ばっつおのごちそう、行事に欠かせない鮒のてっぱい。讃岐三白の伝統をひく食べものと溜池からの恵みを聞き書きする。
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