聞き書 群馬の食事 赤城南麓の食より
ふかしまんじゅうはもちに次ぐごちそうで、農休み、釜の口開き、十五夜、七夕、おこ上げ祝いにつくる。
小麦粉三升に、炭酸(重曹)を水に少し溶かしたものを入れてこねる。うどんのときよりやわらかめにこねる。めんば板の上で、こねた粉を棒状にのばし、一切れずつに切る。一個を手にとり、なめらかにしながら丸くのばし、あんを入れて包む。ふかしに入れてふかす。ふかしあがったまんじゅうは、しょうぎにのせ、うちわであおいでつやを出す。
小豆あんは甘くするのがふつうだが、塩味のときもある。また味噌あんのときや、いんげん豆のあんを入れることもある。
出典:志田俊子 他. 日本の食生活全集 10巻『聞き書 群馬の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.246-246