聞き書 鳥取の食事 因幡山間の食より
旧六月十五日には、みょうがの葉で包んだあん入りの焼きもちをつくり、水神さんに供える。
ただ米九割、もち米一割のくず米を水車ではたぎ、一升五合くらいの粉をまとまるていどに水を入れてこねる。一せいろに三合くらいのもち米を敷き、こねたものを小さくちぎって上にのせ、十分に蒸して臼で搗く。搗きあがったら小豆あんを入れて丸め、みょうがの葉で巻いて、余った葉は切り落とす。十分に焼けた鉄なべで、こんがりと焼き目をつけて焼きあげる。
あんには、そらまめのあんを入れるところもある。
神さんや仏さんに供えてから、みんなで食べる。
出典:福士俊一 他. 日本の食生活全集 31巻『聞き書 鳥取の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.113-113