聞き書 北海道の食事 道東海岸の食より
にしんは頭と腹(内臓)をとり、きれいに洗う。米ぬか三升と塩一升くらいを混ぜ、にしんと交互に二斗樽に漬けこむ。重石は、材料と同じか半分くらいの重さの石をのせる。
別の漬け方として、にしんに塩をふり、二日から三日漬けて、水が上がってきたらとり出して、ぬかに漬けこむ方法もある。この場合、ぬかに漬けこんだ後は、ほとんど水は上がってこない。ぬかの作用で塩からさが薄らぎ、やわらかい塩味になるので、焼いて食べるとおいしい。
にしんのぬか漬は、秋口から冬まで食べる。焼いてごはんのおかずにしたり、小昼としても食べる。いもの塩煮のおかずとしてもよく合い、重宝している。
出典:矢島睿 他. 日本の食生活全集 1巻『聞き書 北海道の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.123-123