にしんのぬか漬

連載日本の食生活全集

2020年08月28日

聞き書 北海道の食事 道東海岸の食より

にしんは頭と腹(内臓)をとり、きれいに洗う。米ぬか三升と塩一升くらいを混ぜ、にしんと交互に二斗樽に漬けこむ。重石は、材料と同じか半分くらいの重さの石をのせる。
別の漬け方として、にしんに塩をふり、二日から三日漬けて、水が上がってきたらとり出して、ぬかに漬けこむ方法もある。この場合、ぬかに漬けこんだ後は、ほとんど水は上がってこない。ぬかの作用で塩からさが薄らぎ、やわらかい塩味になるので、焼いて食べるとおいしい。
にしんのぬか漬は、秋口から冬まで食べる。焼いてごはんのおかずにしたり、小昼としても食べる。いもの塩煮のおかずとしてもよく合い、重宝している。

 

出典:矢島睿 他. 日本の食生活全集 1巻『聞き書 北海道の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.123-123

関連書籍詳細

日本の食生活全集1『聞き書 北海道の食事』

矢島睿 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540860010
発行日:1986/04
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 382頁

拓く・耕す・生きる。原自然と大地を食べる。四方を海に囲まれ、広大な土地をもつ北海道は、海陸とも食べものの宝庫。出身県の伝統をふまえ、進取の気性あふれる食生活。
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