さなぎの煮つけ

連載日本の食生活全集

2020年09月14日

聞き書 長野の食事 西山の食より

春蚕から晩秋蚕まで蚕の世話に明け暮れるが、その副産物としてさなぎがある。とくに九月から十月にかけての玉繭(大きな繭)やさび繭は価格が安くなるので、自家用として煮て、真綿をとったり、糸を引いたりする。
残ったさなぎはきれいに洗い、ほうろくに入れて空煎りし、醤油と砂糖で煮つける。ごはんのおかずになる。
これを食べると、力がでるし、元気づくのである。

 

出典:向山雅重 他. 日本の食生活全集 20巻『聞き書 長野の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.278-279

関連書籍詳細

日本の食生活全集20『聞き書 長野の食事』

向山雅重 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540860768
発行日:1986/12
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

十州に境を連ねる信州の山と川、四つの平の恵みを生かしきる女の技を収録。木曽のすんき漬、東信の野沢菜漬、中信の稲扱菜など、特徴ある野菜がいっぱい。海こそなけれよろず足らわぬことなき暮らしと食を聞書きする。
田舎の本屋で購入

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