聞き書 広島の食事 中部台地の食より
大根と大根葉は大きくきざむ。小いわしはきれいに洗い、頭も腹わたもつけたまま、一斗がめに大根や大根葉と交互に重ね、一並べごとに塩ととうがらしをふって漬けこむ。十一月に漬け、十二月から翌年二月ころまで食べる。
かめからとり出し、いりいで焼いたり煮たりして食べる。これさえあれば、ほかのおかずはいらない。
写真:いわし漬を煮る 2か月ほど塩漬けしたいわし漬を、かめからとり出して煮る。正月前後の日常食である。
出典:神田三亀男 他. 日本の食生活全集 34巻『聞き書 広島の食事』. 農山漁村文化協会, 1987, p.143-143