聞き書 徳島の食事 那賀川下流の食より
正月用の煮もので、黒豆、大根、里芋、にんじん、こんにゃく、こごり(高野豆腐)などを炊く。大つごもに正月三が日分のれんぶを炊いておく。
野菜とこんにゃくを黒豆の大きさに合わせて四角く切る。黒豆だけはとくに煮えにくいので、先にあら炊きしておく。いりのだしをとって、煮えにくいものから順に炊き、黄ざらと醤油で味つけをする。黒豆にしわがよるのは、「長生きする」といって、よいとされる。
出典:立石一 他. 日本の食生活全集 36巻『聞き書 徳島の食事』. 農山漁村文化協会, 1990, p.252-253