いもん子の吸いもん

連載日本の食生活全集

2021年01月12日

聞き書 宮崎の食事 都城盆地の食より

いもん子の吸いもんは、正月の元日に雑煮のかわりに食べる。里芋は子が多くできることから、子孫繁栄を願ってこの日に食べている。
いもん子は、皮をはいで三つか四つに切る。こんぶは細く切り、豆腐やてんぷら(魚のすり身を揚げたもの。行商人から買う)は、適当な大きさに切る。これらとしいたけ、おやし(大豆のもやし)を一緒に、いりこ(煮干し)か、かしわ(鶏肉)のだしで煮る。塩、醤油で味をつけた、実だくさんの吸いもんである。

 

出典:田中熊雄 他. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.259-260

関連書籍詳細

日本の食生活全集45『聞き書 宮崎の食事』

田中熊雄 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540901010
発行日:1991/03
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

伝説に彩られた山深き里、古来「日向の国」と呼ばれた太陽の国・宮崎。焼き畑の村に、陽光そそぐ平野に、霧島のぞむシラスの台地に、黒磯洗う浜に、なつかしい食と暮らしをたずねた南国の食の記録。
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