聞き書 千葉の食事 南総丘陵の食より
■端午の節句
長男の初節句には、仲人、実家の親、親せき、近所の人たちを招待し、尾頭つきの膳で酒盛りをする。砂糖もち、すしなども出すしきたりがある。この日は、当家の繁栄を祈り、後継者の披露をする日である。
庭には親せきや実家から贈られたのぼり旗、吹き流し、こいのぼりが空に舞う。のぼりは一か月くらい前から立てる家もある。また、長南凧と呼ばれるこの地方独特の凧があり、みんなでこの凧をあげる。
写真:端午の節句のごちそうと長南凧
砂糖もち(上)、すしなどをつくる。
出典:高橋在久 他. 日本の食生活全集 12巻『聞き書 千葉の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.187-188