春まちには砂糖もち、すしやてんぷら―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2021年04月23日

聞き書 千葉の食事 南総丘陵の食より

端午の節句
長男の初節句には、仲人、実家の親、親せき、近所の人たちを招待し、尾頭つきの膳で酒盛りをする。砂糖もち、すしなども出すしきたりがある。この日は、当家の繁栄を祈り、後継者の披露をする日である。
庭には親せきや実家から贈られたのぼり旗、吹き流し、こいのぼりが空に舞う。のぼりは一か月くらい前から立てる家もある。また、長南凧と呼ばれるこの地方独特の凧があり、みんなでこの凧をあげる。

写真:端午の節句のごちそうと長南凧
砂糖もち(上)、すしなどをつくる。

 

出典:高橋在久 他. 日本の食生活全集 12巻『聞き書 千葉の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.187-188

関連書籍詳細

日本の食生活全集12『聞き書 千葉の食事』

高橋在久 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540890024
発行日:1989/06
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

黒潮が打ち寄せる房総半島は日本でも屈指の好漁場。いわし・かつおに代表される海の幸と利根川の魚、台地の作物が食膳にのぼる。太巻ずしはこの地の伝統食。女性が築いた食の営みを記録する。
田舎の本屋で購入

このカテゴリーの記事 - 日本の食生活全集
おすすめの記事