みょうがまんじゅう

連載日本の食生活全集

2021年06月17日

聞き書 愛知の食事 尾張(稲沢)の食より

田植えが終わったあと、新小麦をひいてつくる、あん入りのおいしいまんじゅうである。
こね鉢に小麦粉三升と塩をひとつまみ入れて熱い湯を注ぎ、ねばりが出るまでよくこねる。ぬれぶきんをかぶせて二時間ぐらいねかせておく。
小豆一升は三升なべに入れて水を加えて煮たたせる。途中、びっくり水を二、三回加えるとやわらかく煮える。水気がほとんどなくなったところで、砂糖を六〇〇匁くらい入れて小豆をつぶし、最後に塩ひとつまみ入れて味をひきしめ、あんを練りあげる。
ねかせた小麦粉だんごを直径一寸くらいとり、手のひらでのばす。まん中へあんを置き、細長く丸め、みょうがの葉一枚でくるりと巻き、せいろに並べて蒸す。

 

出典:星永俊 他. 日本の食生活全集 23巻『聞き書 愛知の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.144-145

関連書籍詳細

日本の食生活全集23『聞き書 愛知の食事』

星永俊 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540890031
発行日:1989/08
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

海、山、川、田畑の幸豊かな愛知、味噌のルーツ豆味噌を生かす味噌料理の数々。尾張藩時代からの伝統ある食べものと、江戸、上方の味覚がおりなす多彩な食。
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