麦わらだこ、はらみだんごで植付け休みをする半夏生―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2021年06月28日

聞き書 大阪の食事 北河内(淀川流域)の食より

半夏生
夏至から数えて一一日目を半夏生という。半夏生に田植えが終わらないと収穫が半作になるといって、われがちに早く植える。やっと田植えが終わって、この日は植付け休み。早朝から、田の水が落ちてないか見回るだけで仕事は休む。昔から半夏生によく雨が降る。これは、天の神さまが農家の休養のために気をつかってくださるからであろう。
朝早くから魚屋さんが大きなたこを持ってくる。手かぎでぽんとたたいて、「吸いつきよる、まだ生きとるで」と一軒ずつ生節と一緒に置いて回る。
たこはよく吸いつくことから、植えつけた苗もよく根を張って、土に吸いつくようにと願う。このころのたこは「麦わらだこ」といって、一番おいしい。たこのすみを出して、塩でもんでゆでて酢だこにする。生節は、そぼろにして押しずしをつくる。稲がよくはらみ、実るようにと願いをこめて、小麦粉ではらみだんごもつくる。

写真:半夏生のごちそう
上:はらみだんご/下:生節の押しずし、麦わらだこの酢だこ

 

出典:上島幸子 他. 日本の食生活全集 27巻『聞き書 大阪の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.194-195

関連書籍詳細

日本の食生活全集27『聞き書 大阪の食事』

上島幸子 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540900099
発行日:1991/02
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 392頁

商人の町・大阪は、日本中の一流の物産が集まる「天下の台所」。船場、天満の商家、月給取り、近在の農家・漁家の食卓に、「食い倒れ」の真相を探る。写真を添えて料理を再現した食の歳時記。
田舎の本屋で購入

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