聞き書 千葉の食事 九十九里海岸の食より
■夕―麦飯、じゃみのからみ、大根なます、だんご汁
ふだん漁家の夕飯は早く、明るいうちに食べるので、急いで今日とれたじゃみを下ごしらえして、おとっつぁんの酒のさかなにじゃみのからみ(刺身)をつくる。また、大根のせん切りと酢漬のじゃみを酢味噌であえた大根なますは歯切れがよく、家内中喜んで食べる。ほかにも、面倒だが、じゃみをすり身にし、味噌を加えてだんご汁もつくる。よくだしが出ておいしい。
夕飯の用意をするとき、女は手まめに、明日のめっぱのおかずもつくっておく。大根の切り漬は、しその実の塩漬を少し入れてちょいちょいつくる。
写真:秋の夕飯
上:〔左から〕じゃみのからみとしょうが醤油、大根なます/下:麦飯、だんご汁
出典:高橋在久 他. 日本の食生活全集 12巻『聞き書 千葉の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.17-19