にしんのこんか漬、こんかいわし

連載日本の食生活全集

2021年09月28日

聞き書 富山の食事 五箇山の食より


こんかをなべで炒ってから塩をほどよく混ぜ、塩からくする。にしん(干しにしん)は水にもどしてやわらかくしておく。桶にこんかを敷き、にしんを一並べし、またこんかをかぶせる。ときどき赤なんばを入れながら漬けこんでゆく。落としぶたをし重石をのせて、水が上がってくる一〇日目ごろから焼いて食べはじめる。
保存食で、ときどき出して食べる。こんかもふりかけとして温かいごはんにふりかけて食べると、脂もあり、香ばしい。
こんかいわしは、たいてい加工したものを城端町から買うが、秋に生のいわしが手に入ると、つくる家もある。一度塩漬けし、身がしまってからこんかに漬けこんでおく。焼いて食べる。

写真:こんかいわし
秋から冬にかけての日常のごちそう。

 

出典:堀田良 他. 日本の食生活全集 16巻『聞き書 富山の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.110-110

関連書籍詳細

日本の食生活全集16『聞き書 富山の食事』

堀田良 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540890048
発行日:1989/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 376頁

蜃気楼があらわれ、ほたるいかが群遊する富山湾は地元の人たちの魚溜め。立山から発する水が開いた平野は富山の人たちの米びつ。生きのいい魚と米と水がつくる富山の食。
田舎の本屋で購入

このカテゴリーの記事 - 日本の食生活全集
おすすめの記事