十五夜は、だんごに果物、丸いものを供える―晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2021年09月21日

聞き書 埼玉の食事 川越商家の食より

お月見
秋の彼岸のあと、すぐにお月見(旧八月の十五夜)がある。筆返しのついた経机の上に金物の三方を出し、白磁の器に一五個のおだんごを飾り、お酒も上げる。お月さまにちなんで丸いなりをした柿、栗、ぶどうなどをすすきやはぎとともに供え、暗くなって月が昇ってからお明かりをともす。
十五夜をした年は、必ず十三夜をしなければいけないといわれ、片見月は昔からきらう。ただし十三夜だけをするのはよしとされる。

写真:月見のだんご
宮岡家では金物でできた三方にお供えする。

 

出典:深井隆一 他. 日本の食生活全集 11巻『聞き書 埼玉の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.281-282

関連書籍詳細

日本の食生活全集11『聞き書 埼玉の食事』

深井隆一 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540910050
発行日:1992/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

「あさまんじゅうに昼うどん」は物日におけるきまりもの。小麦、さつまいも、狭山茶、深谷ねぎ、岡部の大根など自慢の作物もいっぱい。街道のうまいもの、鋳物工場の給食まで収録。
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