ずしやうどん汁でからだを温める―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年02月10日

聞き書 宮崎の食事 宮崎平野の食より

昼飯―ずし、うどん汁、れんこんのきんぴら、たくあん
朝炊いた飯を子どもの弁当に入れすぎたりして昼飯に少し足りないと思われるとき、ずし(ぞうすい)をつくる。大根、にんじん、ごんぼ、油揚げをいりこだしで煮て醤油で味つけし、冷や飯を入れてぐつぐついうまで炊く。水もちを入れると、これがおいしい。腹が減っては力仕事ができないので、うどん汁もつくる。曇った日、寒い日、ずしやうどん汁はからだの中から温まるので、粗末でも楽しい食事となる。
近くの水神さんの池(湖水ヶ池)でとれるれんこんは太くて長く、粘りがある。きんぴらにするが、いりこを入れるとだしが出て味もよい。簡単にできて、しゃきしゃきとして歯切れがよく、弁当のおかずにもなる。

写真:冬の昼飯
れんこんのきんぴら、たくあん、ずし、うどん汁

 

出典:田中熊雄 他編. 日本の食生活全集 45巻『聞き書 宮崎の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.169-170

関連書籍詳細

日本の食生活全集45『聞き書 宮崎の食事』

田中熊雄 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540901010
発行日:1991/3
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

伝説に彩られた山深き里、古来「日向の国」と呼ばれた太陽の国・宮崎。焼き畑の村に、陽光そそぐ平野に、霧島のぞむシラスの台地に、黒磯洗う浜に、なつかしい食と暮らしをたずねた南国の食の記録。
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