大ざやえんどう、じゃがいもの味噌汁で―日常の食生活

連載日本の食生活全集

2022年03月08日

聞き書 島根の食事 出雲平野の食より

朝飯―だんご煮、菜台の漬物など
朝昼晩使う箱膳にはふたがついていて、箱の中にはめいめいの飯茶わん、汁わん、小皿などの食器とはし箱が納められている。食事のときはふたを裏返し、食器をその上に出す。飯や汁や煮しめなどの盛りつけと飯のおかわりは主婦の役目だが、菜台の上のものは各自が自由にとり回す。
春の菜台には、たくあん、とくな漬、しょいのみ、うずら豆の煮豆、油揚げ入りのあらめの煮しめなどが並ぶ。たけのこやふきの煮しめが出ると家族の顔がなごむ。

写真:春の菜台
うずら豆の煮豆、ふきとたけのこの煮しめ、しょいのみ、とくな漬、あらめと油揚げの煮しめ

 

出典:島田成矩 他編. 日本の食生活全集 32巻『聞き書 島根の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.68-69

関連書籍詳細

日本の食生活全集32『聞き書 島根の食事』

島田成矩 他編
定価3,038円 (税込)
ISBN:9784540910029
発行日:1991/7
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 384頁

旧暦十月の神無月も出雲では「神有月」。全国から集まる神々をもてなす心が食生活の中にいまも息づく。汽水湖・宍道湖・中海の豊かな魚介、米どころ出雲平野、豪雪の山間、隠岐まで郷土の食を網羅。
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