聞き書 島根の食事 出雲平野の食より
■朝飯―だんご煮、菜台の漬物など
朝昼晩使う箱膳にはふたがついていて、箱の中にはめいめいの飯茶わん、汁わん、小皿などの食器とはし箱が納められている。食事のときはふたを裏返し、食器をその上に出す。飯や汁や煮しめなどの盛りつけと飯のおかわりは主婦の役目だが、菜台の上のものは各自が自由にとり回す。
春の菜台には、たくあん、とくな漬、しょいのみ、うずら豆の煮豆、油揚げ入りのあらめの煮しめなどが並ぶ。たけのこやふきの煮しめが出ると家族の顔がなごむ。
写真:春の菜台
うずら豆の煮豆、ふきとたけのこの煮しめ、しょいのみ、とくな漬、あらめと油揚げの煮しめ
出典:島田成矩 他編. 日本の食生活全集 32巻『聞き書 島根の食事』. 農山漁村文化協会, 1991, p.68-69