聞き書 鹿児島の食事 南薩摩漁村の食より
■昼―新いも入り麦飯、魚の煮つけ、高菜漬
ととさんは朝早く漁から帰ってくる。魚市場に出したあとの小さな魚やさばなどを持ち帰ってくるので、かかさんは畑に出かける前にそれを煮つけておく。このころから魚はだんだんおいしくなる。ねぎと一緒に味噌で煮つけると煮汁もおいしい。いも掘りで忙しい時期なので、奮発して豆腐を買って入れることもある。
この時期は秋の農作業をこなすため、昼でも麦飯を炊く。魚のかてもんと一緒にたくさん食べて精を出す。
写真:秋の昼食
新いも入り米ん飯、高菜漬のけずり節かけ、魚の煮つけ(さば、豆腐、ねぎ)
出典:岡正 他編. 日本の食生活全集 46巻『聞き書 鹿児島の食事』. 農山漁村文化協会, 1989, p.70-71