1日4回食べて野良仕事──日常の食生活

連載日本の食生活全集

2023年04月13日

聞き書 静岡の食事 中遠水田地帯の食より

おひる――さつまいも飯、菜の花のごまあえ、焼いた塩ます、しょうがの梅酢漬、お茶
おひるはゆうべ炊いたさつまいものかて飯などを食べる。さつまいもは、倉の土間に穴を掘って蓄えてあるので、そのつどとり出してくる。穴の中には、種いもを残してちょうど食べ終わるくらいのさつまいもを保存しておく。
大根のかて飯は冷えるとまずいが、さつまいものかて飯は冷えても味は変わらない。
おかずは菜の花のごまあえ、それにかますで買った塩ますを焼いて添える。去年の秋に漬けた、しょうがの梅酢漬もある。
春の野菜では、わけぎのぬた、葉ねぎの味噌汁、時無大根の汁もの、おろしなどができる。

写真:春のおひる
上:焼いた塩ます、菜の花のごまあえ/中:お茶/下:さつまいも飯、しょうがの梅酢漬

 

出典:大石貞男 他編. 日本の食生活全集 22巻『聞き書 静岡の食事』. 農山漁村文化協会, 1986, p.199-202

関連書籍詳細

日本の食生活全集22『聞き書 静岡の食事』

大石貞男 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540860638
発行日:1986/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 384頁

静岡県は日本の食文化上、特異な位置を占める。大井川を境に県内の食文化が二分され、それが日本の東西の食文化の違いにほぼ重なる。民俗学上も貴重な静岡の食事の全貌。
田舎の本屋で購入

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