聞き書 兵庫の食事 丹波の食より
米粉を湯でこねてせいろで蒸す。蒸しあがったら、臼に入れて搗き、一口くらいにちぎって丸く平たくのばし、あんを入れ、かしわの葉で包んでもう一度蒸す。米粉によもぎを入れたものもつくる。
奥山家では、蒸した米粉のもちをのばすとき、大工をしているおじいさんがつくってくれた小道具を使う。一口にちぎったもちを、ぬらした竹の皮の間にはさみ、これを木の台に置いて、台にとりつけてある木の板でぎゅっと押さえるしくみになっている。これを使うと、形よいもちに手早くのばせ、おじいさんの自慢である。
写真:かしわもちづくり
おじいさんが工夫した道具を使って、米粉のもちをのす。
出典:和田邦平 他編. 日本の食生活全集 28巻『聞き書 兵庫の食事』. 農山漁村文化協会, 1992, p.267-268