田植えどきの赤飯、身欠きにしん、煮しめ――晴れ食・行事食

連載日本の食生活全集

2023年05月19日

聞き書 岩手の食事 県央の食より

忙しい時期であるだけに、村でいっせいに休む日の「ふれ」がまわる。からす祭り、たなおろし休み、田打ち休み、田植え休みである。これらの日の多くは、特別なごちそうをするというのではなく、家でからだを休め、間食に余った種もみを炒り米にしたり、炒りもちや揚げもちを食べたりして過ごす。
田植えは、親類、近所の人とゆいで行なう。当家が田植えの日には、朝の一服(午前の小昼)、昼食、午後の小昼を出すので、主婦は忙しい。
午前の小昼
赤飯、煮しめなど。

写真:田植えの午前の小昼
上:(左から)漬物(きゅうり、たくあん)、煮しめ(にしん、にんじん、ごぼう、凍み豆腐、こんぶなど)/下:(左から)なます(大根、にんじん、青豆)、赤飯

 

出典:古沢典夫 他編. 日本の食生活全集 3巻『聞き書 岩手の食事』. 農山漁村文化協会, 1984, p.131-132

関連書籍詳細

日本の食生活全集3『聞き書 岩手の食事』

古沢典夫 他編
定価3,850円 (税込)
ISBN:9784540840227
発行日:1984/9
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5上製 376頁

県北の雑穀文化圏・県央の粉食文化圏・県南のもち文化圏・海の幸豊かな三陸沿岸・山の幸の奥羽山系の5地域に分け、地域毎に紹介。日本人の食の原型を見ることができる。
田舎の本屋で購入

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